前回までで押し引きの考え方・形による基準・打点による基準を解説しました。
(相手の待ちを読んではいけない・1シャンテンの押し引き:形・1シャンテンの押し引き:打点各URL)
今回は巡目による基準を解説します。
- 自分の手牌の価値について
- ベタオリのメリット・デメリット
- まとめ
1、自分の手牌の価値について
5巡目先制リャンメンリーチの和了率68%
12巡目先制リャンメンリーチの和了率42%
5巡目先制 愚形待ちの和了率53%
「統計学」のマージャン戦術 / 著みーにん
巡目によってここまで和了率に変化が生じます。さらに言えば終盤の良型リーチより序盤の愚形リーチの方が和了率が高いという統計データまで出ています。
「リャンメン待ちにする為」の手作りはみんな意識していますが、同程度かそれ以上に和了率に影響する「巡目」を意識できていない人は多いです。
しかしながら「今、自分が最もあがりやすくするための選択をする為」の勉強をしているのですから巡目を意識しないのは当然ともいえます。
しかし、押し引きにおいては「今の自分の手牌の価値」を考えなければなりません。巡目が経つごとに自分の手牌の価値はどんどん落ちます。
そして、押し引きでは牌の危険度ではなく自分の手牌の価値で決めます。
手作りでは考える必要があまりないのですが、押し引きにおいては非常に大切な要素ですので意識しましょう。
②ベタオリのメリット・デメリット
ここでベタオリのメリットとデメリットを書き出してみましょう。
基本的に巡目が経過すれば現物が増える。
仮に今現物がなくても「次のツモで現物を引いてくる可能性」も増している
→ベタオリのリスクが低下する
→ベタオリの期待値が増す
・自分があがれる可能性がほぼなくなる
ベタオリをすることによって放銃率は低くなりますが、現物を切ることにより自分の手はあがれなくなってしまいます。
1で書いた通り自分の手牌の価値が高ければデメリットは大きいですが、価値が低い場合はデメリットはそこまで大きくありません。
・ツモられるかもしれない
また、ツモられてしまうことにより失点することもデメリットです。
そして、巡目が経過すればするごとに相手があがる可能性は減少していきます。ツモ山という箱の中からあがり牌という当たりくじを引こうとしているわけですから当然引く回数が減れば減るほどあがる可能性は少なくなりますよね。よって巡目が早ければ早いほど押し有利に働き、巡目が遅ければ遅いほどオリ有利に働きます。
・オリ打ちをするかもしれない
そして、ベタオリを選択したとしても安全牌が無くなって放銃してしまう可能性は常に存在します(オリているのに安全牌が無くなって放銃してしまうことをオリ打ちと言います。)
巡目が経過すればするほどに相手の捨て牌が増えるごとに現物が増えていくのはもちろんとして、全体の見えている枚数が増加することにより壁やスジなどの牌が増加します。よって安全牌はもちろん安全度が極めて高い牌も増えます。また、仮に今現物がなくなってしまったとしても「次のツモで現物を引いてくる可能性」も増します。
ということはオリ打ちをするかもしれないというデメリットが巡目が経つごとに減少します。
となるとベタオリのデメリットが減少することによりベタオリの期待値が増すのでオリ有利に働くと言えます。
③まとめ
上記の要素全般で「巡目が経てばたつほどオリ優位に働く」と言う事が分かっていただけたかと思います。ですので、【序盤ほど押し有利、中盤以降はオリ有利になる】と認識してください。
1シャンテン時の対リーチに対する押し引きの基本は一言で完結します。
9巡目以降はオリときゃだいたいOK
です。
もう少し精緻な基準を示しますと、
5巡目までは押し有利に働き、
6~8巡目までは微妙
9巡目以降はオリ有利に働きます。
次回の(1シャンテンの押し引き:総合問題)でこの微妙についてなどを詳しく解説いたしますので、是非次回の講座もご覧頂けると幸いです。
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