「鳴き」は強者の間でも意見の分かれる問題が多く、初心者が混乱しやすい分野です。そこで今回は、初心者向けに、大まかな鳴きのセオリーを3つご紹介します。今回の内容をマスターすれば、取りあえず鳴きの分野では中級者へステップアップできるようになるでしょう。
- 役牌は鳴く
- 愚形は鳴く
- 鳴いてテンパイなら鳴く
①役牌は鳴く
まず1つ目のセオリーは、【役牌は鳴く】です。
例えばこのような手牌で、1枚目の中が他家から出たら、ポンするべきでしょうか?
1388m24667p37s中中 ドラ5s
結論から言うと、ポンするべきです。役牌は、1枚目からポンしましょう。(あとでもう一度でてくるため削る)
麻雀は、相手よりも早くアガることが大事なゲームです。自分が高い手をテンパイしていたとしても、相手よりも早くアガることができなければ、自分には1点も入りません。
役牌を鳴くのと鳴かないのでは、スピードがかなり違います。役牌を鳴くと、役が確定し、他のところも鳴けるようになるので手牌の速度が大きく上がるのです。
たまに、1枚目をスルーして2枚目から鳴くという戦術を用いる人がいますが、1枚目からポンしましょう。2枚目はワンパイにあるかもしれませんし、ベタオリのために誰かが持っていて、もう出ないかもしれません。繰り返しになりますが、麻雀は相手よりも早くアガることが大事なゲームです。出てくる保証の無い2枚目に期待して速度を大幅に落とすのはやめましょう。
②愚形は鳴く
次に、2つ目のセオリー【愚形は鳴く】をご紹介します。ただし、役が無ければアガれませんから「鳴いても役があるとき」に限ります。
ここで言う愚形というのは、カンチャン・シャンポン・ペンチャンなどの、「リャンメンよりも待ちの少ない部分のこと」を指しています。
例えば、
35888m246p3488s西 ドラ4s
このような手牌であれば、4m、3p、5pは鳴いた方が良いです。理由は2つあります。1つ目は、大きくスピードアップするからです。
リャンメンは1枚スルーしても残り7枚(=8枚ー1枚)ありますが、愚形は1枚スルーすると残り3枚(=4枚ー1枚)しかありません。
さらに、その残り3枚のうち、相手が何枚か使っている場合も少なくありません。ですから、愚形部分は1枚スルーすると、もう残りが無いということも多々あります。
本当に、(←日本語的に変)繰り返しになりますが、麻雀は相手よりも早くアガることが大事なゲームです。愚形部分のスルーは、大幅な速度低下です。愚形部分をスルーしてしまうと、大幅な速度低下となります。
2つ目の理由は、(←2つ目の理由は、と書く場合は「理由の1つ目は」など1つ目という記述があるべき。また今回の文章に関しては2つ目の理由というより直前の内容の続きという感じなので「1つ目/2つ目」という表現は無い方が良いかも)また、その愚形部分が待ちになったとき、めくりあいに負けやすくなります。
例えば、上の手牌でカン4mをスルーした後、カン4m以外の部分が全て埋まり、カン4m待ちのテンパイになったとしましょう。そこで、相手も攻めてきてめくりあいになる場合が多いわけですが、そのときに残り3枚のカン4m待ちだと負けやすくなります。
(A例えばB,と書く場合AとBは違う文言であるのが自然。今回は両方とも「負けやすくなります。」で締めているのが違和感。また、「めくりあいになる場合が多い」と書いてあるが、めくりあいに特段なりやすいというわけではない。動画でそんな感じでしゃべってたらすみません。もろもろ加味して次のような文章が良いかと思います。)
例えば、上の手牌でカン4mをスルーし、そのあと他の部分が埋まってカン4mでテンパイしたとします。このとき、もし相手もテンパイしてめくりあいになってしまうと、上に述べたことと重複しますが、そもそも残り3枚の4mが山にあるかどうかさえ微妙です。「テンパイしているから早々ベタオリすることはできないけど、待ちはとても弱い。」という、放銃する危険性の高いシチュエーションになりやすいのです。
これらの理由から、役が決まっているときは愚形を鳴くのがセオリーです。
③鳴いてテンパイなら鳴く
最後にご紹介するセオリーは、【鳴いてテンパイなら鳴く】です。例えば、このような手牌があったとします。
4588m23467p345s西 ドラ5s
このとき、36m、58pをチーするかという問題です。これも結論から言うと、全てチーするべきです。
たしかに、36m、58pをチーせずにリーチを打つことができれば、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラ1で最低でも8000点の打点になりますから、ここでチーして打点を2000点に落とすのは一見もったいなく感じるかもしれません。
しかし、その「打点が下がる」というデメリットを大きく上回るメリットがあります。そのメリットとは、「鳴くと、テンパイである」ということです。【テンパイと1シャンテンでは、天地の差があります】。
麻雀においてテンパイとは、「点数を貰える抽選を毎巡受けられている」状態です。テンパイしていれば、ツモかロンによって、点数を貰えます。それに対して、1シャンテンは、「有効牌を引いてきてようやく、その抽選を受ける権利が貰える」状態です。これはつまり、抽選を受けるための抽選を行っている状態です。
さらに、自分が抽選を受けるための抽選を行っている段階で、相手の当たり牌を引いてきてしまうと自分は放銃し、点数を失うことになります。「1シャンテンの自分vsテンパイの相手」という構図は、かなり不利な勝負を強いられているのです。
逆に自分がテンパイしていれば、1シャンテンの相手に対してかなり優位に戦えるとも言えます。
これが、【テンパイと1シャンテンでは、天地の差がある】と言われている理由です。そのため、【鳴いてテンパイなら鳴く】という戦術がかなり有力になるわけです。
※厳密な正解は終盤までスルーであるの部分も解説お願いします
ただし、鳴いてテンパイであってもテンパイを取るべきでないケースは存在します。
4588m23467p345s西 ドラ5s
例えば、さきほどもあげたこの牌姿。実は研究の結果、捨牌2段目後半までは打点を求めてスルー有利という結論が出ています。
しかし、この打点と速度のバランス感覚が難しいので、「鳴いてテンパイなら鳴く」とセオリーとして簡略化しました。どちらか一方を選ぶならば、「打点」よりも「速度」の方が重視すべき要素であるからです。
また、
4588m23467p34r5s西 ドラ8m
ならば、打点が十分なので何巡目でも鳴き優利になったり
3588m23467p345s西 ドラ5s
ならば、「カンチャンは仕掛けるがリャンメンは鳴かない」巡目が存在したりします。
これらの鳴き判断を正確に行うには、打点と速度のバランス感覚・考え方を身に付ける必要があります。それはとても難しいことなので、まずは基本として、「鳴いてテンパイなら鳴く」を基準としましょう。
まとめ
さて、鳴きのセオリー3選を復習しましょう。
①役牌は鳴く
②愚形は鳴く
③鳴いてテンパイなら鳴く
もちろんレベルが上がっていくにつれて、これらのセオリーを守らない方が良い場面も増えていきます。しかしそのような判断をするためには「速度と打点を天秤に掛ける」、「押し引きの知識」などの、かなり高度な技術力・知識が必要となるため、はじめのうちはまずこの3つを基準としてみましょう。
やはり麻雀は、相手よりも早くアガることが大事なゲームです。「2000点アガったけど、8000点アガれていたかも……」というミスよりも、「アガれていた手をアガれなかった」というミスの方が致命的なミスです。もちろん、「打点はどうでも良い」ということではありませんが、まずは致命的なミスを減らすという方向で、「鳴き」のセオリー3選を遵守していただけたらと思います。
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