前回、1シャンテンの押し引きが中級者同士の対戦ではカギになる。受け入れ枚数という観点ではリャンメン+リャンメンが1つの基準であるという話をしました。(1シャンテンの押し引き:形URL)
今回はもう一つ重要な要素である打点についての解説をします。
- リーチを含めて3翻以上
- 差し引きをして押し引きを決める
- 麻雀の点数計算は満貫が有利にできている
- 鳴き手の場合は?
・リーチを含めて3翻以上
今回の講座で重要な部分はこれだけです。「テンパイなら押し(URL)」の解説で、自分が低打点でも押して良いと書きましたが、自分が1シャンテンの場合はある程度の打点がなければ押す価値は低くなります。
麻雀というのは点数計算の仕組み上満貫を作ることが重要なゲームなので、この押し引きにおいても「満貫できそうかどうか」が一つの基準となります。
ただし、メンゼンの場合は「ツモ」や「裏ドラ」があるので【リーチを含めて3翻】というのがひとつの基準となります(したがってこの3翻の中にはツモや裏ドラは含めません)。
では具体的な牌姿を見ていきましょう。
この手牌は形はリャンメン+リャンメン以上、打点はリーチを含めて3翻以上(リーチ+赤+ドラ)という基準を満たしているので押す価値があると判断できます。
これはどうでしょうか。形はリャンメン+リャンメンですが、打点は基本的にリーチドラ1の2翻です。
形の基準は満たしていますが、打点の基準は満たしていません。2つの基準の答えが矛盾してしまっています。
差し引きをして押し引きを決める
1シャンテンで押し引きを判断する要素は沢山あります。実戦ではそれらを差し引きして押し引きを決めなければなりません。
1シャンテン時の押し引き判断を正しく行うためには定量性を意識することが大切になります。
基準を満たしているの?基準を満たしていないの?という二者択一ではなく、Aの要素ではどれぐらい価値があるのか、Bの要素ではどれぐらい価値があるのか、Cの要素では…そして押すためには自分の手牌にどれぐらいの価値が必要なのかを判断することが大切です。
これを考えるのはとても大変なことで、上級者であっても迷う場面がたくさんあります。この講座では「初心者のうちはまずこれを参照しておけばある程度の精度で押し引きすることができる」というざっくり押し引き表を紹介します。
先ほどの牌姿は形がリャンメン+リャンメンなのでプラス1点、打点はメンゼンで2翻(リーチドラ1)なのでプラスマイナスゼロ。合計でプラス1点となります。このように複数の要素を差し引きして【トータルがプラスになれば押し、マイナスならオリ】と考えれば、ある程度正確な押し引きができるようになるでしょう。
ちなみに、副露の場合の基準が厳しめになっているのあ、メンゼンツモや裏ドラといった役が複合しないためです。
・それでも微妙な場合は
では今度はどうでしょうか。形はそのまま、ドラだけを変えています。
形の基準はプラス1点、打点はリーチのみなのでマイナス1点です。差し引きするとトータルではプラスマイナスゼロ。
結論は「微妙」となります。「微妙」ってなんだよ!と思われるかもしれませんが、それくらい難しい問題ということです。こんなときはさらに他の要素、例えば巡目であったり、読みが使える人は読みであったり、といったもので答えを出します。
それらを考えるのがまだ難しい初心者の方は「どちらでも良い」として気分で決めても良いでしょう。
まとめ
1シャンテンから無筋を押すときの打点における基準は
リーチを含めて3翻以上
鳴き手の場合は4翻以上
リーチを含めて2翻鳴き手で3翻の場合は微妙
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