1シャンテンの押し引き:形

前回までの講座で、テンパイなら押し・2シャンテン以下ならオリというセオリーを解説しました。(2シャンテンなオリ・テンパイなら押し各URL)

ではその間の1シャンテンは?という話をしようと思います。ただ、これはすごく微妙な問題です。微妙というのは、手牌の形、打点、巡目など様々な要素で答えが変わりうる難しい問題であるということです。

したがってまずはそれぞれの要素がどのように押し引きに影響を与えるかを考え、最後に複数の要素を総合した押し引き判断について解説します。

  • 1シャンテンの判断が難しいという人は「どちらかと言えば」全て降りた方が良い
  • 受け入れ枚数による基準
  • テンパイした時の形による基準

・1シャンテンの判断が難しいという人は「どちらかと言えば」全て降りたほうが良い

1シャンテンのときの押し引きは様々な要素をもとに考えると書きましたが、仮に全ての1シャンテンで押す、又は全ての1シャンテンでオリる、という極論で比較すると全てオリたほうが成績が向上します。

押し引きはくじ引きのようなものです。相手と自分、どちらが先にあがり牌という当たりくじを引くかというゲームを想像してみてください。

相手がリーチ(明確なテンパイ)しているとき、相手は1枚の当たりくじを引くだけでよい状態です。

一方自分は1シャンテンの場合、テンパイになる当たりくじとあがりになる当たりくじの2枚を引かなくてはなりません。

しかも自分が1シャンテンからテンパイになる当たりくじを引かない限りは相手が自分の当たりくじを引いてきても何の問題もなく、自分がアガリ牌という当たりくじを引くまでは相手の当たりくじを引いたらアウトなのです。

当然相手がアガれない内に2連続で当たりくじを引いてきて自分があがれる場合もあるのですが、同じことを繰り返していけばトータルで負け越してしまうのは目に見えています。

よって、基本的には1シャンテンはオリた方が良いのです。

しかし、これを前提としつつ、自分に有利な要素が積み重なった場合に1シャンテンから押したほうが得となるケースがあります。

「2シャンテンからオリる、テンパイからは押す」という基本的な事を身に着けている中級者以上同士の対戦ではこの1シャンテンから押すべき場面を見分けられるかが勝負のカギになります。

・受け入れ枚数による基準

まずは自分の受け入れ枚数による基準を考えてみます。受け入れ枚数の多い、すぐにテンパイできそうな1シャンテンというのは、上記の例において「最初の当たりくじがたくさんある状態」ですから、勝負する価値が高くなります。

受け入れ枚数における大まかな基準は【リャンメン+リャンメン以上】です。

自分の受け入れがこれくらいの1シャンテンであれば、ひとまずは押しても良い(厳密にはこのあと説明する他の要素による)と言ってよいでしょう。逆に、基本的に愚形含みの1シャンテンから無筋を押すことは損であることが多く、そうそう押すことはありません。

具体的な牌姿を見ていきましょう。

このような形で相手のリーチを受けたとします。自分の受け入れが五萬:麻雀王国八萬:麻雀王国二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国、余っている牌は二萬:麻雀王国七筒:麻雀王国ですが、先ほどの基準【リャンメン+リャンメン以上】を満たしているのでその2枚の無筋を切り出していっても良いラインとなります。

これは完全1シャンテンと言われる形です。五萬:麻雀王国八萬:麻雀王国二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国の他に四筒:麻雀王国九筒:麻雀王国を引いてもテンパイします。リャンメン+リャンメンの上位互換のようなものですから、同様に受け入れ枚数という観点から見ると七筒:麻雀王国を押しても良いといえます。

続いて、ちょっと見落としがちなのがこのようなくっつきテンパイと呼ばれる形です。このような形はリャンメン+リャンメン以上の受け入れ枚数がある形ですので上の手牌と同様に押しても良いといえます。

・テンパイした時の形(最終形)による基準

続いて、テンパイした時にどのような待ちになるかという基準を解説します。例えば次の牌姿。

受け入れは五萬:麻雀王国七萬:麻雀王国二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国なのでリャンメン+リャンメンと同等ですが、二筒:麻雀王国五筒:麻雀王国を引いたら愚形待ちになってしまいます。これは「せっかく1枚目の当たりくじを引いても、2枚目の当たりくじの枚数が極めて少ない」という状態になりやすいということで、それならば最初からオリた方が良いのでは?となります。

これは非常に難しい問題ですが、【受け入れのうち半分くらいの牌で愚形待ちになる場合は微妙(受け入れ枚数における評価はプラマイゼロ)】と考えてください。微妙と言うと曖昧な表現に感じてしまうかもしれませんが、次以降に紹介する1シャンテン時の押し引きの判断材料を使って判断するといったような認識をしてください。

本日のまとめ

1シャンテンも基本的にはオリ他方が良い。

ただし、自分に有利な要素が積み重なっている場合に押すことも重要

「受け入れ枚数」おいてはリャンメン+リャンメン以上というのが一つの基準

これより悪い手で押すことは少ない

テンパイまでの受け入れが相応にあっても、最終的な待ちが愚形になってしまう可能性が高い(50%ぐらい)場合はボーダーライン

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