オーラスの押し引き

今回は、点数状況に応じたオーラスの立ち回りについて解説します。

今回の内容を理解するための前提として知っておいてほしいことをおさらいします。まだこの部分についての知識を理解していないという方はこちらの記事もセットで学習すると理解が深まります。(点数状況の重要性URL)

おさらい

・麻雀は順位点によってゲーム性がガラリと変わるものであることを認識する

・自分が打っているルールの「順位点」を把握する

・「順位点」が等間隔になっていないところを把握して、それを踏まえた上でオーラスの方針を定める

点数状況の重要性より

全てのルールに対応するのは難しいので今回はMリーグルールを想定してお話しますが基本的な考え方はほかのルールでも使えます。

  1. どこから点数状況を考える?
  2. オーラスに考えるべきこと① 何点あがればいいのか?
  3. オーラスに考えるべきこと② 相手にあがられたらどうなるか?

1.どこから点数状況を考える?

基本的には東1局~南1局までは普通に打ちます。普通とは戦術講座で解説しているようなセオリーの事ですね。

南2局からは徐々に点数状況を考え始めます。

南3局からはかなり点数状況に応じて立ち回りが変化します。次に説明するオーラスの条件を考えて、「何点あがるとオーラスの条件はどうなるか」「何点放銃してしまうとオーラスの条件はどうなるか」を考えて選択をしていきます。

南4局は点数状況に応じて打ち方がまるっきり違います。同じ手牌捨て牌だったとしても点数状況によって選択が全然違ってきます。東1局と同じように打っているとオーラスの立ち回りですごく損している可能性が高いので、今回の記事を読んで意識してください。

この中で習得していく順番はオーラスから遡って習得していくのが良いでしょう。オーラスの立ち回りがある程度できるようになったらそこから逆算してラス前の立ち回りを考える、それができるようになったら南二局の立ち回りを考えるといった具合です。最終的に上級者になったら東場であっても誰かが飛びそうといったような極端なシチュエーションでは点数状況を考えます。

②オーラスに考えるべきこと~何点あがればいいのか~

通常のあがりでは平均して満貫いかない位の点数をやり取りしています。しかし、着順が関わると20000点や40000点、時には80000点という点数が変わってきます。オーラスでは着順が全てと考えていいぐらいです。まず最初に意識することは何点あがると着順が上昇するかの条件をしっかりと計算しましょう。配牌を開く前に何点あがればいいのかを把握してください。

具体例を見ていきましょう。

現状1シャンテン、ポンテンチーテンを取るかという問題です。

通常のセオリーであれば捨て牌二段目後半位まではスルーします。しかしオーラスでは点数状況によって判断がガラリと変わります。

例えばこのような点数状況だったとします。

トップとの差は1000点の1着目です。つまりなんでもあがればトップという状況です。となれば当然何順目であってもポンテンチーテンを取ってあがりに向かいます。この手をあがって着順を上げることにより40000点が入ります。鳴いたらリーチが打てなくなって局収支が下がってしまうとか言っている状況ではありません。40000点を取る確率を全力で上げましょう。

一方でこんな点数状況だとどうでしょう。

自分は3着目、二着とは6000点差、トップとは7000点差です。2000点あがっても3着のまま

、満貫をあがるとトップまで突き抜けます。いわば2000点あがっても着順は上昇しないので純粋に2000点の価値、しかし満貫をあがると3着から1着ですので68000点が入る計算です。着順の価値まで踏まえると2000点が8000点になることで4倍ではなく実に34倍もの違いになります。また、ツモまたはウラ1程度の条件はかなり現実的に狙えます。そうなるとギリギリまでメンゼンでリーチを目指してメンタンドラウラやメンタンツモドラを狙う方が得になります。

ポイントとして現実的な目標は満貫ツモ差ぐらいです。(相手が子なら10000点差、相手が親なら12000点差)この範囲に入っていればとにかくツモや裏を考慮したうえで4翻作るのを意識するのが良いでしょう

具体例として、

このような点数状況でしたら満貫で1着順UPしますし、満貫ツモすると2着順PUします。そうなると満貫を狙っていきます。具体的には発を鳴かずにメンゼンでテンパイを組んでいき、4s周りを引いてきたら発を対子落とししてメンタンドラでツモかウラに賭けるといった具合です。

一方でこのような点数状況だったらどうでしょう。

満貫をツモっても(なんなら跳満でも)トップになれません。しかし2着目はすぐ近くにあります。となるとトップは諦めて全力で二着になるべく発はもちろんポンしますし、後付けも辞さない構えで7pチーなどもすることを視野に入れます。

このように同じ配牌であったとしても点数状況によって目指すべき所、そこに至るべき手順がかなり変わってきます。まずはこのオーラスは何点あがればよいのかを考えてください。

③オーラスに考えるべきこと~相手にあがられたらどうなるか~

次は着順ダウンの話です。例えばこのような状況があったとします。

3sを押すかどうかといった状況ですね。東一局でも難しい押し引きですが、オーラスでは点数状況で判断できます。

その相手に満貫をあがられたらどうなるのかを考える事がポイントです。

このような点数状況でしたら仮に満貫を放銃しても2着のままです。もしあがることができたらトップになる事ができます。満貫放銃しても着順が変わらず、あがることができたら着順が上昇するのであればここは3sを押して最大限あがりを目指すのが良いでしょう。

次にこのような点数状況ではどうでしょう。

満貫と仮定してツモられても放銃しても自分はラスになってしまいます。あがることができたら3着を守るどころか2着になれます。よってここは押したほうが良いでしょう。

点数状況がこのような場合はオリた方が良いでしょう。例によって満貫と仮定した場合ツモられてもトップのままです。しかし、放銃してしまうと自分は2着どころか3着まで落ちてしまいます。放銃してしまうデメリットが大きいのでここはオリが有利になります。

上級者では状況次第で相手のリーチが何点なのか、条件を満たしてくる相手なのかなど複雑な要素を考えていますが、初中級者が最低限考えていただきたい部分としてはこのような物となります。

まとめ

オーラスに考える事

その1 何点あがればいいか・満貫ツモラインを意識する

その2 相手にあがられたらどうなるか・攻撃してきた相手に満貫をツモられた場合、放銃した場合の順位を考えて押し引きを決める

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